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当社グループは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを「私たちの目指す姿」として掲げています。事業活動を通じて、目指す姿を推進していくのは人であり、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」と考えています。その基盤として、中経2030における人事戦略を策定し、投資を通じたさまざまな施策を実施しています。今後も、人材を資本として捉え、その価値を最大化することで個人と会社がともに成長することを目指します。
中経2030における人事戦略では、「人材の価値最大化と『勝ち』にこだわる組織づくり」と「共創と成長を生み出す基盤の構築」の2つを重要な柱として掲げています。
一人ひとりが持つ力を伸ばし、それを最大限に発揮することによって「勝つ」、すなわち「経営戦略上の目標を必ず達成する/意志を持って正しくやり抜く」ため、次世代経営人材育成、採用ニーズ充足の短期化、職務・役割を基準とした人事制度(管理職層:職務型人事制度、非管理職層:役割等級制度)の運用、パフォーマンスマネジメント強化、自律的キャリア形成支援等に取り組んでいます。
また、従業員同士そして従業員と会社が「共」に「創」り上げ成長するための「基盤」、すなわち「人的資本に関するさまざまな取り組みを支えるベースとなる意識・風土や仕組み」を構築するため、DE&I推進、エンゲージメント向上、人材情報の複合的活用によるタレントマネジメント強化等に取り組んでいます。
施策は多岐にわたっていますが、全ての施策の成果を有機的に連携させ、労働力不足への対応や人的資本の強化にも資することで中経2030の達成に寄与します。
当社グループの人事戦略を分掌する執行役(CHRO)、人事機能担当部署およびHRBP(HRビジネスパートナー)を含むカンパニー等人事機能を設置し、相互に連携しながら人事機能の強化を図っています。また、全執行役およびHRBPをメンバーとする人材委員会での人的資本に関する課題解決に向けた討議や次世代経営人材の選抜・育成計画のレビュー等により、経営戦略と人事戦略とを連動させながら各種施策を推進しています。さらに、人事戦略とさまざまな取り組みにかける想いを従業員一人ひとりに直接伝えるためにタウンホールミーティングを開催して相互対話の機会としています。
取締役会はこれら人的資本の取り組みに関する定期的なモニタリングや執行役後継者計画のレビュー等を実施しているほか、取締役が次世代経営人材選抜者との面談・対話を実施するなど積極的に関与しています。
人事戦略ではその実践状況と実効性を把握するために、主要KPIを3つ掲げています。
経営リーダー候補の継続的確保・育成
当社グループが中長期的に成長していくためには、それを牽引する経営リーダーを育成する必要があることから、次世代経営人材育成プログラムに沿い、将来の経営リーダーになり得る人材を選抜し、育成を進めています。このプログラムを通じて育成される経営リーダー候補者を順次増加させていき、執行役後継候補者に占める次世代経営人材育成プログラム選抜者比2022年度実績51%を、2030年度までに80%とする目標を設定しており、2024年度実績は69.7%となりました。
次世代経営人材育成プログラム
2005年度より、経営幹部候補者の育成を目的とした 「次世代経営人材育成プログラム」を設け、経営人材の育成を進めてきました。4つの経営改革や人事諸施策の変革等を背景に、2022年度よりプログラムを刷新し、より若年層からポテンシャルのある人材を選抜しています。また、従来の研修中心のプログラムではなく、業務経験を重視した育成計画に基づき、部門横断的な全社視点を持った人材の育成を進めています。さらに、2025年度からは段階的にグループ会社の経営幹部育成も視野に入れてプログラムを運営していく予定です。
意思決定層における多様性の確保
当社グループの持続的な成長のためには、既存の枠組みにとらわれないイノベーションの創出が必要であると考えています。そのためには、多様な人材を確保・育成し、多様な個性を認め合い、異なる意見から新たな価値を創出する意識・風土醸成が欠かせません。このことから、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する方針の下、管理職層における多様な属性(女性、外国人、経験者採用、障がい者)の割合2020年度実績16%を、2030年度までに30%とする目標を設定しており、積極的に諸施策に取り組んだ結果2024年度実績は27.0%と、2025年度末目標を前倒しで達成しています。
女性管理職比率
全管理職に占める女性管理職比率を2025年度末までに5.0%にする目標を掲げています。2024年度末においては3.9%、2017年度以降の割合は以下のとおりです。
なお、2025年度の女性取締役・執行役の人数および比率は以下のとおりで、いずれも前年度より向上しています。
項目 |
人数 |
比率 |
女性取締役 (2025年6月25日現在) |
3名(全10名) |
30.0% (対前年度+11.8%) |
女性執行役 (2025年4月1日現在) |
2名(全7名) |
28.6% (対前年度+16.1%) |
女性管理職、外国人管理職、経験者採用管理職人数
女性・外国人・経験者採用管理職の人数を2025年度末までにそれぞれ2020年度末比約2.5倍、約2.5倍、約1.5倍にする目標を掲げています。2024年度末において、女性管理職については1.7倍、外国人管理職については約1.5倍、経験者採用管理職については約1.6倍となっています。
項目 |
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2024年度末 |
2025年度末目標 |
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女性管理職 |
2020年度末人数比 ▶ |
1.7倍 |
約2.5倍 |
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外国人管理職 |
約1.5倍 |
約2.5倍 |
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経験者採用管理職 |
約1.6倍 |
約1.5倍 |
エンゲージメントの継続的向上
当社グループの経営戦略・事業戦略を実行するのは人です。一人ひとりが持つ個性を受け入れ、尊重し、最大の組織パフォーマンスを発揮しながら、働きがいを感じることのできる企業を目指し、働きがい向上に向けた各種施策を進めています。これら施策の効果をエンゲージメントサーベイで測るとともに、従業員の働きがいと会社の方向性とのアライメントを測るために、エンゲージメントサーベイ全設問における肯定的回答率2022年度実績71%を、2030年度までに80%とする目標を設定しており、2024年度実績は74.9%となりました。
エンゲージメントサーベイ
Well-being推進を通じた働きがいの醸成を実現するため、従業員のエンゲージメント向上に取り組んでいます。2022年度からは年1回のエンゲージメントサーベイを実施し、組織や人に関する課題を可視化。人材委員会で課題への対応方針等の検討を行い各部門にて施策実施・改善に取り組んでいます。
当社のサーベイは、「仕事」、「仲間」、「報酬」、「組織」、「成長機会」の5つのカテゴリーから構成されています。2024年度のサーベイは全従業員の97.7%が回答し、全設問(30問)における肯定的回答率は74.9%でした(前年度比+1.9%)。前年度のサーベイにおいて相対的に肯定的回答率が低かった「組織」と「成長機会」については引き続き強化領域として諸施策に取り組んだ結果、「組織」※1については1.1%、「成長機会」※2については4.4%それぞれアップしました。
全設問における肯定的回答率を2030年度までに80%とすることを目標として掲げていますが、2023年度からは、各コーポレート・事業部門において自部門の課題を抽出したうえで対応方針・目標を定め、達成に向けたアクションプランを実行中です。
これら一連の活動により、今後も従業員のエンゲージメント向上を図っていきます。
日本国内では生産年齢人口の減少、製造業の慢性的労働力不足が恒常化し、当社が事業を行っている海外でも、ものづくり離れとともに人材獲得難が加速しています。このような外的環境要因を背景に、当社では就労観の多様化に伴う自己都合退職者増加の傾向が見られます。
こうした状況を踏まえ、以下の施策を進めるとともに、ほかの全ての人事施策の成果と有機的に連携させることで、継続して労働力不足への対応を図っていきます。
事業成長を支える人材確保と育成強化に向け、従業員自らが成長する機会の提供を通じたキャリア形成支援に取り組んでいます。
当社では、管理職を対象とした研修体系を2024年度にリニューアルしました。これは、中期経営戦略2030の達成にはマネジメント力の向上が不可欠であるとの認識に基づき、マネジメント面の課題によりフォーカスした研修内容へと移行するものです。「変革力」や「自律型人材を育成する力」などのテーマ別の研修と、これを補完する思考力・ヒューマンスキルなどのスキル研修を組み合わせ、マネジメント力強化に取り組みます。
また、当社は従業員が自律的にキャリアを形成し、主体的に能力を開発することが重要であると考えます。そこで幅広い年代を対象とした「キャリアデザイン研修」やキャリアアドバイザーとの面談を通じてキャリア形成を支援するとともに、オンライン学習動画サービスや通信教育の提供を軸とした、自己啓発支援の充実を図っています。
こうした研修施策と、日々の業務経験を通じた成長を両輪とし、当社は、社会や事業環境の変化に柔軟かつ迅速に適応し、チャレンジしていく人材の育成と組織風土の醸成に努めています。
教育体系図(単体)
年間教育時間総数(のべ時間) |
従業員1名当たりの平均時間数(年間) |
129,252時間 (対前年度+22,622時間) |
21.76時間 (対前年度+4.36時間) |
※ 上記の教育時間総数は、正社員および非正規社員を対象に算出しています。
項 目 |
従業員 |
臨時従業員 |
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単 体 |
5,315名 |
556名 |
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連 結 |
18,452名 |
1,950名 |
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国 内 |
11,151名 |
|||
海 外 |
7,301名 |
地域名 |
人 員 |
日本 |
11,151名 |
北米 |
815名 |
南米 |
56名 |
オセアニア |
9名 |
欧州 |
1,825名 |
東アジア |
743名 |
東南アジア |
3,853名 |
合 計 |
18,452名 |
項 目 |
新卒採用 |
経験者採用 |
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大卒(院卒を含む)~{※1} |
高卒等~{※2} |
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男 性 |
54名 |
33名 |
95名 |
|
女 性 |
29名 |
8名 |
29名 |
|
合 計 |
83名 |
41名 |
124名 |
※1 四大卒以上とする。
※2 高卒、高専卒、専門学卒、短大卒とする。
項 目 |
30歳未満 |
30歳〜49歳 |
50歳以上 |
合 計 |
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自己都合離職者数 |
男 性 |
60名 |
70名 |
21名 |
151名 |
|
女 性 |
13名 |
5名 |
4名 |
22名 |
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合 計 |
73名 |
75名 |
25名 |
173名 |
||
自己都合離職率 |
男 性 |
6.7% |
3.1% |
1.1% |
2.9% |
|
女 性 |
5.3% |
1.5% |
1.8% |
2.7% |
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合 計 |
6.4% |
2.9% |
1.1% |
2.9% |
当社はユニオンショップ制のもと、労働者の基本的な権利である、団体交渉権および結社の自由を尊重し、良好な労使関係の維持に努めるとともに、労使間で定期的な情報共有、意見交換を行っています。特に、三菱マテリアル労働組合総連合会との間で年2回開催する労使経営協議会では、各事業の最新の課題、戦略、方針等を踏まえ、活発な議論を交わすことで結束を高め、会社の持続的な成長に向けた方向性の共有を図っています。
また、施策提案等に際しても十分な時間を設け、丁寧に説明し、協議を行っています。なお、現在の組合員数は、単体の直接雇用者(出向者含む)で3,989名であり、さらに、三菱マテリアル労働組合総連合会に加盟するグループ会社の労働組合の組合員を含めると6,184名となっています(2025年3月末現在)。
項 目 |
人 員 |
単 体 |
3,989名 |
グループ含む |
6,184名 |
当社は、「コーポレート・ガバナンス基本方針」、「サステナビリティ基本方針」および「人権方針」に、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する方針を定めています。また、女性活躍推進に関する方針として、「女性活躍支援に関する指針」を定めています。
これら基本方針については、社内の人事ポータルサイト内に掲載するとともに、社内研修における説明等を通じて、全従業員への周知・啓発を継続しています。
コーポレート・ガバナンス基本方針(抜粋)
当社は、人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉となるという考えのもと、人種、宗教、性別、性的指向・性自認、年齢、障がい、国籍、出身地、社会的出身、経歴等のあらゆる多様性を持つメンバーが共存し、公平かつ公正に認め合い、一人ひとりが積極的に自らの力を発揮できる環境を構築することによって、最大の組織パフォーマンスを目指す。(第10条)
サステナビリティ基本方針(抜粋)
私たちは、多様な個性を公平かつ公正に認め合い尊重し、新たな価値を創造することで当社グループの持続的成長の源泉とするべくダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを積極的に推進します。(第3条)
人権方針(抜粋)
多様な属性、価値観、経験などを有したメンバーが共存し、公平かつ公正に認め合い、一人ひとりが互いを活かしながら最大限にその能力を発揮し、成長と自己実現を実感しながら安心して働ける職場づくりを目指します。(第8条)
女性活躍支援に関する指針
あらゆる多様性を持つ従業員一人ひとりが積極的に自らの力を発揮できる環境を構築するべく取り組みを推進しています。
全般 |
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女性活躍支援 |
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外国人支援 |
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経験者採用支援 |
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障がい者支援 |
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LGBTQ+支援 |
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事業所における活動 |
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その他 |
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当社は、2022年度以降、男性従業員の育児休業取得率目標を100%に設定しています。2024年度の取得率は79.5%(前年度+2.6%)、平均取得日数は73日(前年度比+22日)となりました。2025年度は新たに、管理職向けの男性育休マネジメント研修開催、父親学級への参加機会提供および動画配信等、目標達成に向けて積極的に取り組んでいます。
当社では、障がい者雇用の促進を図るため、さまざまな取り組みを実施しています。
事業所を含む全社で障がい者雇用アクションプランを策定し、職域の拡大を進めてきた結果、2025年3月末時点で2.9%と、2026年7月に引き上げられる法定雇用率を超える雇用率を実現しています。また、丸の内オフィスとさいたまオフィスの「障がい者雇用モデル職場」では、障がい者が仕事を通して学び、成長し、社会に貢献するという理念のもと、障がいを持つ多数の従業員が勤務しています。
丸の内オフィスでは主に社員食堂や会議室等の清掃・消毒作業やメール室業務、さいたまオフィスでは社員食堂や研修宿泊施設の清掃・消毒作業やメール室業務のほか、敷地内の緑化作業、名刺製作業務(グループ会社発注分も含む)等を実施しています。各職場には指導員が配置されており、障がいを持つ個々の従業員の個性と可能性を尊重しながら、作業方法の工夫や改善を行い、やりがいや働きがいを感じ成長を促進しています。
さらに地域の特別支援学校からの実習生を受け入れ、企業見学会を開催するなど、積極的に活動しています。これらの取り組みを通じて、「企業で働くこと」の意識付けを行いながら実体験や気付きを提供するなど、特別支援学校に通う生徒の就労を支援しています。
プライド月間に映画鑑賞・パネルトークイベントを開催
6月のプライド月間に当社にて異業種3社合同イベントを開催し、会場とオンラインあわせて約120名の方にご参加頂きました。
冒頭LGBTQ+に関する基礎知識のレクチャー後、トランスジェンダーの日常から家族の絆を描いた映画「息子と呼ぶ日まで」を鑑賞。その後、同映画監督の黒川鮎美さんと、主演俳優の合田貴将さんとのパネルトークを行いました。トランスジェンダー当事者である合田さんからは、家族との接し方、就職活動の際に感じていた不安や葛藤、就職先の方たちの反応など貴重なご経験を共有頂きました。続くグループディスカッションでは、「映画のワンシーンについて自身が感じたこと」というお題に対し、企業の枠を超えた活発な意見交換が行われるなど、LGBTQ+についていつもとは違う視点から理解を深める時間となりました。
当社グループの従業員Allyコミュニティ「TRAM」(Together, Rainbow, Ally, MMC Group)活動の活性化や、本イベントを通して新たにつながりのできた他社のAllyコミュニティとの情報交換等により、当社グループや社会全体でのさらなる理解促進を目指します。
「PRIDE指標2024」において「ゴールド」を受賞
企業におけるLGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティへの取り組みに関する評価の指標を定めた「PRIDE指標2024~{※}」において、「ゴールド」を受賞しました。
子育て中の社員・赤ちゃんとの交流イベントを開催
仕事と育児に関する従業員コミュニティ「マテ友コミュニティ」と本社労働組合の共催で、子育て中の社員とその赤ちゃんとの交流イベントを開催しました。
初めに助産師より「なぜ赤ちゃんとの触れ合いが大事なのか」「子育ては社会を巻き込んで」などをテーマとしたミニ講義をして頂き、その後は子育て中の社員に育児休業や復職後の働き方等に関する質問をしながら赤ちゃんとふれあったり、助産師の方たちに妊娠中に起きるエピソードを聞きながら妊婦ジャケット着用体験をしたり、赤ちゃん人形を使用して抱っこ体験をしたりと、妊娠・出産・子育てを身近に感じる機会となりました。
今後も研修やセミナーのほか、このようなイベントを通して職場の仲間のライフスタイルや多様な価値観を知ることで、相互に尊重し合える風土づくりを推進します。
当社の「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」についてはこちらからご確認ください。
当社は、従業員が仕事とプライベートとの両立を実現できる職場環境づくりを推進しています。従業員一人ひとりがライフイベントに合わせた働き方を実現しながらキャリアアップにも挑戦できる職場を目指し、支援制度の整備、拡充に努めています。
2022年度には、生産性を高めつつより柔軟な働き方を支援することを目的として、事業所を含めた全社を対象とした在宅勤務制度を導入するとともに、管理職層を対象として、遠隔地リモート勤務制度を導入しました。また、本社地区および一部事業所においては、フレックスタイム制度のコアタイムを廃止しました。2023年度には、副業・兼業のトライアル制度を導入し、2024年度からは同制度の本格運用を開始しています。
長時間労働の削減に向けては、取り組み方針と総労働時間の取り組み目標、アクションプランを策定し、労使による時短検討委員会を開催しながら、各事業所の実態に即した所定外労働時間削減と有給休暇取得促進に取り組んでいます。
また、「国連グローバル・コンパクト」にも署名し、国連グローバル・コンパクトの定める 4 分野(人権、労働、環境、腐敗防止)10原則に賛同しています。当社グループ人権方針では、事業活動を行う国・地域において適用される⼈権に関する国際規範を尊重し、法令に従い、従業員の労働時間、休日、休暇、賃金を適切に管理することを掲げています。
制度 |
概要 |
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全般 |
在宅勤務制度 |
自宅で従事可能な業務を担当している従業員を対象として、在宅勤務を認める制度 |
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遠隔地リモート勤務制度 |
管理職層を対象として、勤務場所(国内限定)を制限することなく勤務を認める制度 |
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半日単位の有給休暇 |
1回0.5日を単位として有給休暇を取得できる制度 |
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時間単位の有給休暇 |
時間単位で有給休暇を取得できる制度 |
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ウェルネス休暇 |
各年に失効する未使用の年次有給休暇のうち、1年につき5日、最大60日を限度に積み立て可。本人または家族の私傷病による入院加療・自宅療養、人間ドック・婦人科健診受診、不妊治療のための入院・通院、ボランティア活動への参加等の際に取得可 |
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フレックスタイム制度 |
始業および終業の時刻を任意に決定できる制度(一部事業所ではコアタイムなし) |
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育児関係 |
出産看護休暇(男性従業員のみ) |
配偶者が出産した場合、出産の日から2週間以内に3日取得可 |
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育児休業等復帰支援面談 |
産前・産後休暇および育児休業合計期間が3ヵ月以上の面談を希望する従業員を対象として実施 |
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育児休業等早期復帰一時金 |
産後休暇または1ヵ月以上の育児休業から早期に復帰した従業員に対して支給(復帰月の翌月から子が1歳に達する日が属する月まで) |
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所定労働時間の短縮 |
小学校6年生までの子を養育する従業員について、1日の所定労働時間を6時間まで短縮可 |
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育児時間 |
1歳未満の子を養育する女性従業員について、短縮された所定労働時間中に、30分ずつ2回の請求可 |
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時差出勤・休憩時間の延長 |
妊娠中または出産後の女性従業員について、一定の条件のもと、始業・終業時間を60分以内において繰り上げ・繰り下げ可。また、1日当たり60分以内、2回まで休憩の取得可 |
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所定外労働の免除 |
小学校6年生までの子を養育する従業員について、所定労働時間を超えて勤務しないことを申請可 |
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所定外労働の制限 |
小学校6年生までの子を養育する従業員について、1ヵ月につき24時間、1年につき150時間を超えて勤務しないことを申請可 |
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深夜業の制限 |
小学校6年生までの子を養育する従業員について、午後10時から午前5時までの間勤務しないことを申請可 |
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子の看護等休暇 |
小学校6年生までの子を養育する従業員について、年次有給休暇とは別に、原則、1日もしくは時間単位で取得可(3歳までの子に係る休暇取得の場合は年5日まで有給休暇扱い) ・1名の場合:10日/年 ・2名以上の場合:15日/年 |
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保育料補助 |
3歳未満の子が保育所または託児所に入所している従業員に対して支給 |
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介護関係 |
介護休業 |
要介護状態にある被介護者1名につき、36ヵ月取得可 |
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介護休暇 |
要介護状態にある家族を介護する従業員について、年次有給休暇とは別に、原則1日は時間単位で取得可 ・1名の場合:5日 ・2名以上の場合:10日 |
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所定労働時間の短縮・時差出勤・フレックスタイム |
要介護状態にある家族を介護する従業員について、会社が指定した以下いずれかの措置を受けることが可 ・所定労働時間の短縮 ・時差出勤 ・フレックスタイム |
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所定外労働時間の免除 |
要介護状態にある家族を介護する従業員について、所定労働時間を超えて勤務しないことを申請可 |
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所定外労働の制限 |
要介護状態にある家族を介護する従業員について、1ヵ月につき24時間、1年につき150時間を超えて勤務しないことを申請可 |
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深夜労働の制限 |
要介護状態にある家族を介護する従業員について、午後10時から午前5時までの間勤務しないことを申請可 |
制度 |
概要 |
社内公募制度 |
自律的なキャリア形成促進の一環として実施 |
副業・兼業 |
自律的なキャリア形成意識の向上推進とともに、社内では得られない知識、スキル、経験を獲得し当社に還元することを制度趣旨として、非雇用の副業・兼業を認める制度 |
特別休職制度 |
配偶者の海外転勤に帯同する従業員および私費研学をする従業員を対象として、一定期間の休職を認める制度 |
アルムナイ採用 |
過去に当社を退職した元従業員の再入社を促進し、再度活躍してもらうことを目的として2025年度より導入 |
留学制度 |
社内選抜に合格した留学希望者を国内外の大学院等へ派遣する制度 |
詳細は「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の「多様な働き方を支援する制度」をご参照ください。
項 目 |
男 性 |
女 性 |
合 計 |
介護休業取得者数 |
0名 |
0名 |
0名 |
育児休業取得者数 |
105名 |
20名 |
125名 |
産前産後休暇取得者数 |
ー |
27名 |
27名 |
有給休暇取得率(単体組合員) (2023年1月~12月) |
ー |
ー |
86.6% |
平均残業時間(単体組合員) |
ー |
ー |
13.7時間 |
当社では、高年齢者の雇用安定および処遇改善を重視し、より安心して働ける環境を整えるための施策を実施しています。また、2021年4月より、さらなるモチベーション向上のため、従来60歳だった定年退職年齢を65歳とする定年延長を実施しています。また、従業員個々に健康状態やライフプランの多様性に配慮し、選択定年制や短時間勤務による再雇用を選択肢として提供しており、個々のニーズに対応しています。
本人権方針は、サステナビリティ基本方針に基づき定められ、三菱マテリアルグループの事業活動の基盤となるものであると考えています。
三菱マテリアルグループは、原材料調達から素材・製品の開発、生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動領域において、当社グループのビジネスが直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解しています。
本「三菱マテリアルグループ 人権方針」(以下、「本方針」)は、三菱マテリアルグループが世界中の国と地域で事業活動を行うにあたり、すべての人々の人権を尊重する姿勢を明確に示すものです。
本⽅針は、三菱マテリアルグループ各社~{(※1)}のすべての役員・従業員~{(※2)}に適⽤されます。
また、お取引先に対し、本方針の支持と実践を期待し、共に⼈権尊重を推進することを目指します。
1. ⼈権に関する国際規範の尊重
三菱マテリアルグループは、国際⼈権章典~{(※1)}および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」~{(※2)}に規定された⼈権を最低限のものとして理解し、これらの⼈権を尊重します。そして、「ビジネスと⼈権に関する指導原則」、国連グローバル・コンパクトの10原則~{(※3)}、などの⼈権に関する国際規範を支持し、これらの原則に基づいて事業活動を行います。
三菱マテリアルグループは、事業活動を⾏う国や地域において適用される法規制を遵守します。国際的に認められた⼈権と事業活動を行う国や地域の法令に矛盾がある場合は、法規制を遵守しつつ、国際的に認められた⼈権の原則を尊重する方法を追求します。
2. ガバナンス・推進体制
本方針の遵守状況とグループの人権尊重の取り組みについて、SCQ推進本部が、三菱マテリアル株式会社の執行役会、取締役会に定期的に報告し、取締役会の監督のもと⼈権尊重の取り組みを推進します。
3. ⼈権デューデリジェンスの実施
三菱マテリアルグループは、事業活動に関係する人権への負の影響を特定、評価、防止、軽減するために人権デューデリジェンスを実施します。
三菱マテリアルグループの事業活動が⼈権への負の影響を引き起こしている、或いは助⻑していることが明らかになった場合には、適切な手段を通じてその是正・救済に取り組みます。
4. ステークホルダーとのエンゲージメント
三菱マテリアルグループは、⼈権への影響を受けるステークホルダーの視点から人権課題を理解することが重要であり、また、脆弱であるために特に配慮を要するグループが存在することも認識しています。このため、継続して関連するステークホルダーとの建設的な対話を⾏い、⼈権課題の理解や改善・解決に努めます。
5. 通報窓口・苦情処理
三菱マテリアルグループは、⾃由闊達なコミュニケーションの文化を促進しています。従業員は、⼈権に関する懸念について所属上長に相談でき、あるいは内部通報制度の窓口に通報できます。
また、「責任ある鉱物調達方針」に関する違反行為およびその懸念について、社内外のステークホルダーが利⽤可能な「責任ある鉱物調達ホットライン」も設置しています。
ステークホルダーの皆様の人権への懸念を適時に把握し、対応していくため、実効的な通報や苦情処理の仕組みの構築に取り組みます。
6. 教育・啓発
三菱マテリアルグループは、グループ各社のすべての役員と従業員に対して、本方針の実践に必要な教育及び能力開発を実施していきます。
7. 報告・情報開示
三菱マテリアルグループは、本方針に基づく取り組みの進捗状況を定期的に開示します。
8. ⼈権課題へのコミットメント
制定日 2021年12月1日
改定日 2021年12月13日
当社グループは、グローバルな事業展開において各国の法令遵守だけでなく、国際的な人権基準の尊重が不可欠であると考えています。このため、2021年7月にサステナブル経営推進本部(現SCQ推進本部)のもと、人権部会を設立し、同年12月に、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「人権方針」を策定しました。人権部会は、各領域で専門性をもつコーポレート関連部門および各事業部門の人権関係施策担当者で構成することで実行性を高め、各拠点およびグループ会社に対しては必要な助言を行うことで、効果的な活動を推進しています。なお、SCQ推進本部を通じ、当社の執行役および取締役会へ定期的に報告されます。
当社グループでは、人権への取り組みを強化するため、国内外のグループ会社内で人権デューデリジェンスを推進し、「人権リスク」の低減に努め、取引先とも連携した取り組みを推進しています。人権課題に関する実態調査の結果を基に、想定リスクの洗い出しと⾒直しのPDCAサイクルを確立し、継続的に実施しています。さらに、人権啓発の研修等を通じ、さらなる社内浸透を図っていきます。
2022年度からは、自社事業による人権への悪影響を防止・軽減するため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って、以下の3項目に取り組んでいます。
1.方針によるコミットメント
当社は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、 あわせて、日本におけるUNGCのローカルネットワークであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)に加入しています。GCNJの当社の事業に関連する分科会に参加し、情報収集を行うとともに、当社の人権関係施策の策定に活用しています。
また、人権尊重に関するこれらの方針及び様々な人権課題を理解するために、以下に示すように国内外の従業員を対象とした各種研修を実施しています。特に、強制労働や児童労働に関しては、ケース・スタディや、ディスカッションを交えることで、従業員が、人権リスクが顕在化した際の対応を主体的に学べるようなコンテンツを含めています。
上記に加えて、人権教育推進を担う役員および担当者を選任し、定期的に社外研修を受講しています。また、GCNJの各分科会に、コーポレート部門の担当者を派遣しています。
2.人権デューデリジェンスの実施
(1)当社グループ内の人権デューデリジェンス
当社グループでは、2022年度より、当社グループ内における人権デューデリジェンスの仕組み構築に着手しました。2023年度には当社拠点およびグループ会社計105拠点に対してSAQを配布、その回答内容を分析することで、人権リスクの特定を行いました。
2022年度から2023年度に配布したSAQの回答分析の結果、過去5年以内に「ハラスメント」が発生している拠点が複数あったこと、雇用プロセス上の差別禁止を表明するコミットメントがないことが明らかとなり、「ハラスメント」「雇用プロセス上の差別」等が当社グループの人権リスクとして特定されました。
また、2022年度および2023年度に実施したSAQ の分析結果に基づき、2024年度から2028年度の5年間にわたる 人権尊重の取り組みについて、ロードマップを策定しました。 策定したロードマップと主な施策は次のとおりです。さらに、今後も継続して人権デューデリジェンスを実施するため、これまでの取り組みから得た知見を反映し、人権リスクの評価、特定、その後のフォローアップや改善計画の立案・実施までをカバーする「三菱マテリアルグループSAQ運用マニュアル」を策定しました。
2024年度は、当社では担当執行役のもと、サプライチェーンや事業活動における人権リスクを防止・低減するために、継続的に仕組みを改善しました。当社グループ全体のリスク項目である「ハラスメント」については、重点対策拠点に対しハラスメント防止のための啓発ワークショップを実施したほか、DE&I施策の拡充により「雇用プロセス上の差別」に対応しています。
さらに、当社拠点及びグループ会社における個別の人権リスクに対しては、2022年度及び2023年に実施した当社拠点及びグループ会社に対するSAQの分析の結果に基づき、対応すべき人権リスク項目について、当社拠点・グループ会社において、リスク低減策を計画し、実行しました。このリスク低減策では、国際人権条約や基準、また当社事業特性から勘案し、特に重視する必要があるリスク領域を「強制労働」「児童労働」「ハラスメント」「結社の自由」「労働安全衛生」「環境課題への対応」「責任ある鉱物調達」とし、これらの領域における改善策を優先的に実施しました。
対応するべきリスク項目232項目について、2025年2月までに225件(対応率:97.0%)の実施が完了しました。これらのリスク低減策の実施状況については、執行役社長を本部長、担当執行役を副本部長とし、関係部署の部長等で構成されるSCQ推進本部にリスク低減策の実施状況を定期的に報告し、積極的な人権リスクの低減を促す体制を構築しました。さらに、リスク低減策実施の進捗状況や好事例を積極的に各事業部門担当者及びコーポレート部門担当者とで共有しています。これらの取り組みの例は、以下のとおりです。
リスク領域 |
所在国 |
概要 |
改善対応 |
児童労働 |
日本 |
具体的な防止規定が就業規則等に定められていない会社があった。 |
「雇用される社員は満18歳以上とする」と就業規則に記載し改訂した。 |
労働安全衛生 |
インドネシア |
従業員のメンタルヘルスに関する対応を実施していない会社があった。 |
2024年10月に、ストレスチェックを実施した。 |
労働安全衛生 |
ドイツ |
安全衛生方針の改訂が行われておらず、現行の基準を満たしていない会社があった。 |
労働安全専門家や医師を含む関係者との協議の下、安全衛生方針を改訂した。 |
ハラスメント |
台湾 |
ハラスメント防止に関する規定が、就業規則に含まれていない会社があった。 |
就業規則にハラスメントを含めて改訂をした。 |
(2)サプライチェーン上の人権デューデリジェンス
ロードマップのとおり、2024年度は人権デューデリジェンスの対象範囲を、当社拠点の敷地内等でサービスを提供する企業や、当社製品の加工を委託する企業まで拡大しました。サステナビリティレポート内、「サプライチェーンマネジメント」-「物流資材部門・CSR調達ガイドラインの運用」をご参照ください。
3.救済措置
当社グループでは、従業員向けに通報・相談窓口を国内に設置しており、人権に関する相談も受け付けています。国内の通報・相談窓口では、2022年6月より改正公益通報者保護法に対応して厳格な秘密保持を保証し、救済措置を実施する体制を整えました。研修等を通じて啓発活動等を行い、実効性の強化も図っています。
また、グループ外部からの人権に関する問い合わせを受け付ける窓口をコーポレートサイトに設置しています。今後、さらに窓口機能の整備・拡充を検討しています。
当社が所有する森林のうち北海道内の8団地においてはSGEC森林認証を取得していますが、SGECではアイヌ民族に対するFPIC (Free, Prior and Informed Consent の略称であり、「自由な同意」、「事前の同意」、 「情報に基づく同意」の3要素からなる)実施の手引が定められています。当社もFPIC実施の必要性を理解し、手引に則った活動を行っています。
北海道内に多くの森林を所有する当社社有林では、公益社団法人北海道アイヌ協会をはじめ社有林が位置する市町村のアイヌ協会へ当社の実施する森林活動の報告やヒアリングなどを実施しています。この活動を通じ、社有林への意見・要望などを確認し、良好な関係を構築・維持しながらアイヌ民族の慣習の保全に貢献できるように努めています。