夏が終わり、秋の足音が聞こえてくる頃、三菱マテリアルの社有林ではカラマツをはじめとする植栽木を対象に{間伐}^{かんばつ}を行います。
間伐とは、成長にともなって混みすぎた林の木を一部抜き伐ることです。最初は小さな苗木ですが、植えてから15年もすれば大きく成長し、隣り合う木と木の枝や葉が重なりやすくなります。そのまま放置すれば太陽の光が十分に届かず、幹の細い弱い木になってしまいますが、間伐を行うことで林の中に差し込む太陽の光を増やし、再び活発な光合成を促すことで、立派な太い木を育てることができます。
また、林の中が明るければ、木の周りにさまざまな植物が集まって力強く根を張り、地下水を適度に溜めてくれる機能もあることから、豪雨等の災害時に土砂の流出を防ぐことにも繋がります。
一口に間伐と言っても、木々の混み具合は場所ごとに異なるため、方法は必ずしも同じではありません。そこで重要な作業が{選木}^{せんぼく}です。
木の形状、幹の太さ、{樹高}^{じゅこう}(木の高さ)、{樹冠長率}^{じゅかんちょうりつ}(木の高さに対し、葉のついた枝がある部分の割合)、隣の木とのバランスなど、さまざまな視点から判断することで、実際の森林の状況に応じて木を伐る量、木の残し方などを変えています。選木によって将来の森林の姿が決まるとも言えますので、三菱マテリアルの社有林を管理するマテリアルリアルエステート㈱森林部では、定期的な勉強会の開催や作業現場から提案を受けた改善案の振り返りなどを通じて、選木の技術を高める取り組みを進めています。
私たちは適切な間伐によるたくましい森林づくりを目指しており、間伐により伐り出した木材についてもできる限り再生可能な資源として世の中に送り出すことで、人と社会と地球のために貢献してまいります。