情報セキュリティ活動においては、大規模災害時等の事業継続も視野に入れて情報インフラの強化拡充に努めるとともに、情報システムに関するさまざまな技術的対策の強化並びにマネジメントシステムの導入と運用を柱としています。技術的対策では、既知の脆弱性を狙った攻撃に対して被害に遭わないための防御策を充実させる一方、標的型攻撃等の新たな脅威に対しては、「多層防御の拡充」「被害の早期検知」といったリスク低減策に取り組んでいます。近年、感染被害が増加しているランサムウェア(身代金要求型ウイルス)をはじめとしたウイルスへの対策については、当社および全グループ会社へ、脆弱性に対する修正プログラムやアップデートを強制的に適用させるシステムを海外グループ会社まで導入しています。
マネジメント面では、パフォーマンス評価、従業員教育といったPDCAサイクルを反復実施することで、セキュリティレベルの維持向上に努めています。
2025年度の施策として、2023年度に監視対象を個人のPCにまで拡大し、2024年度にはさらにOT(Operational Technology)領域に拡大したセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)の安定運用と監視対象領域の拡大を、引き続き取り進めます。また、セキュリティインシデント対策チーム(CSIRT)の活動の定着化を図り、情報セキュリティ教育、訓練によるセキュリティ意識の向上とレベルの統一を図ります。
さらに、日本国内法やGDPRのみならず、各国の個人情報保護法への対応によるコンプライアンス遵守に加え、前述したOT領域についてデジタル化、スマートファクトリー化に備えた新たなセキュリティ施策やサプライチェーンリスクマネジメントの強化も実施していく計画です。また、昨今利活用場面が拡大しているAIについても、外部のAIサービスを含めた利用に際してのガイドラインを定めており、概要について、今後、公開を進めていく所存です。一方、自社で開発・運用する場合も踏まえて、透明性、公平性、安全性などを確保し、セキュリティリスクを最小限に抑えるための枠組みやルールの整備についても取り進めます。
深刻化するセキュリティの脅威に対して、今後とも、さまざまな技術的対策を、総合的・効率的かつ適切なレベルで検討・実施していきます。