当社は鉱山開発(鉱石産出)のルーツにより全国でも有数の面積の森林(マテリアルの森)を保有していますが、森林には木材生産や水土保全、レクリエーションの場所の提供といった様々な機能(公益的機能)があります。この公益的機能は生態系サービスという形で私達の日々の生活において恩恵(便益、アウトカム)を受けています。
マテリアルの森ではネイチャーポジティブに向けた社会への貢献として、森林整備を通じた木材の提供や環境教育などの社会貢献活動に取り組んでいますが、これらの活動により発揮されている公益的機能にどういったものがあるか、また整備により得られる便益が経済的な価値に換算してどの程度になるかを定量的に評価することとしました。
間伐などの森林整備や環境教育イベントなどの社会貢献活動により生み出している便益は30団地で年間約23.7億円に上りました (生物多様性保全便益を除く)。生物多様性保全便益は算出の考え方において課題が残っていることもあり他の便益の合計には含めないこととしましたが、年間約31億円となることがわかりました(下図参照)。
評価においては、各団地の管理状況を反映していることから、それぞれの団地の整備方針にもこれからの結果を活用することとし、当社社有林の目指す姿である「100年後の美しい森林」に向けた取り組みを進めていきます。詳細については、環境システム研究論文発表会に投稿されている論文資料をご確認ください。