車載や鉄道用インバーターに代表される高出力パワーモジュールでは、半導体素子の高温動作や大電流化に伴い、接合部には高い耐熱性と放熱性、長期信頼性が求められています。
従来は、銀を主原料とする加圧型の焼結接合材料が広く用いられてきましたが、銀価格の高騰による材料コストの上昇、加圧接合工程における位置ずれの発生、また大面積接合時に、有機溶剤や樹脂成分の分解ガスが残留しやすく、それに伴う接合不良への課題がありました。
このような背景を踏まえ、当社は、従来の銀焼結接合材料が抱える「高コスト」「工程制約」「大面積信頼性」の課題を、銅材料によって解決することを目指し、開発を進めてきました。具体的には銅製錬工程の副生成物を原料とし、銅粉末の合成から銅焼結材料の設計まで一貫した開発体制を構築し、材料設計の高度化に取り組んでいます。その結果、粒径100〜200nmで金属不純物量が極めて少なく、かつ独自の粒子表面被覆設計により高い焼結性を有するサブミクロン銅粒子を創製しました。本粒子を用いることで、従来の銀系焼結材に代わる低温接合・大面積対応・高信頼性を兼ね備えた銅接合材料として銅ペーストと銅シートの2タイプを開発しました。